「Soul Loversのハルってだけで、みんな俺に表面ばかりを取り繕った。
安っぽい金メッキみたいな笑顔を浮かべて、当たり障りのない言葉だけを並べた。本心は見せないままに。
だからコーギーでも、他のクラブに行くときも、そのままの俺を見て欲しくて、正体を隠してた。
遠慮のないやりとりも、バカ騒ぎも、何もかもが新鮮で、楽しかった」
目を細めて、遠い目をする七倉さん。
「そんな最高の時間も、皆が俺をハルだって知らないから、得られるもんだって思ってた。
俺が芸能人だって分かったら、マッシーさんや、他の皆との関係も崩れるんだって、怯えてた」
七倉さんの、綺麗な目が揺れている。
「変わらないよ」
七倉さんに、ちゃんと伝わるように。彼の目を真っ直ぐに見つめて告げる。
「七倉さんが芸能人でも、誰でも変わらない。だって出会ったあなたは、いつだって本物で。嘘なんか、どこにもなくて。
だから私は、昔も、今も、これからも、偽りのない私自身を七倉さんに見せます!」
言いたいこと、伝えたいことがありすぎで、どう言えばいいのか分からなくて。
上手な言い回しは出来ないけど。一生懸命に言葉を捜して、七倉さんに伝えた。


