「いまドームツアー中だから、地方に行ってて忙しいのかもね」
私の言葉に、亜理沙が残念そうに、そう言った。
「心配かけてごめんね。せっかく応援してくれるって言ったのに」
「当たり前じゃない。私たち、親友でしょ」
にっこりと笑う亜理沙。
「もう、いいよ」
教えてもらった番号が繋がらなくなった。
それって、答えは1つしかないって、とっくに気づいてた。
『もう連絡してくるな』
そういうことだよね、七倉さん。
七倉さんのことは好きだけど。
好きだから、迷惑かけたくないんだ。
しつこい女だって、嫌われたくないんだ。
「諦めるよ、私」


