Soul Lovers~世界で一番愛する人へ~

-Side Hinako-




試合に勝ったのは嬉しかった。



けど七倉さんは来なかった。



試合が終わって、空を見上げる。



私、勝ったよ。



見て欲しかったな、七倉さんに。



空を渡って、この想いが届けばいいのに。



ユニフォームから制服に着替えると、コートを出た。



亜理沙はいつもより高いテンションで、私に話しかける。



「今日の雛、本当にかっこよかった!」



七倉さんが来なかったから、気を使ってくれてるんだろう。



「目ぢからイケメンが来てたら、間違いなく雛に惚れてたよ!」



そう言った後、はっとしたような顔をして謝った。



「ごめん。今のは無神経だったね」



私は少し微笑んで首を振る。



「ううん。亜理沙は優しいよ。ありがとう」