「誰なの?」 梨央の質問に、 「ただの友達の妹だ」 そう答えるけど、本当にそれだけか?と自問自答する。 「ハルのあんな優しい声。初めて聞いた」 梨央の言葉に、胸がざわつく。 「梨央には関係ない」 無神経に、胸の内をかき乱されたような気持ちになって、冷たく梨央をつき離す。 「関係あるわ。私はハルを……」 言いかけた言葉が終わる前に告げる。 「俺は梨央を、女として見たことは一度も無い」