ふたり、外灯の下に立ち止まる。
「家の前まで送るよ」
七倉さんは、そう言ってくれたけど、これ以上、こんなイケメンの側にいたら心臓がもたない。
ぶんぶんと首を左右に振ると、七倉さんは「わかったよ」と言って、レジ袋を私に返した。
「ありがとうございました」
深く頭を下げた私に、七倉さんは「ちょっと待って」と言って、自分のバッグから紙とペンを出すと、さらさらと何かを書いて私に渡した。
「俺の番号。困ったことがあったらかけておいで」
突然の展開に、受け取った紙を穴が開くほど見つめる。
「帰り道、変質者に追いかけられたときとかにね」


