「悪いです。それに私、か弱くもなんとも無いですから!!」
私はトマトが山盛り入ったレジ袋を奪い返した。
「以前、一度会っただけの男なんて信用できない?」
ハンパない目力はそのままに、悲しそうに私を見つめる七倉さん。
なんだ?この顔。
この人は、私をきゅん死させたいのか?
可愛さとかっこ良さが絶妙なバランスで融合した七倉さんに、理性なんて吹き飛んで、もうどうにでもなれと半ばやけになって答える。
「そんなことありません。全然。まったく。1ミリも。信用できないなんて思っていませんから!!」
そんな私に、嬉しそうににっこりと笑う七倉さん。
あー、ころころ変わる表情も素敵。
なんて思いながら、完全に七倉さんの魅力にやられていると、
「じゃあ、帰ろうか」
そう言って、私の手の中にあるレジ袋を、また七倉さんが持ってくれた。


