「あっ!!」
袋の中から転がり落ちる大量のトマト。
慌ててしゃがんでトマトを拾うと、袋に入れた。
「大丈夫?雛子ちゃん?」
同じように目の前にしゃがんだ七倉さんが、私を覗き込みながら名前を呼んだ。
そう言えば、さっきは気が動転して気づかなかったけど、七倉さん、わたしのこと『雛子ちゃん』って呼んでる。
今更ながらに気づいた私は、恥ずかしさがこみ上げて真っ赤になった。
「そんなに赤くなったら、雛子とトマト、どっちがどっちか分からなくなっちゃうよ」
『雛子ちゃん』だけでも物凄い破壊力なのに、七倉さんはさらりと私の名前を呼び捨てにした。


