「ごめんなさい」
よほど痛かったのか、涙目の七倉さんを見て、申し訳なくて謝る。
「いや、大丈夫だよ。こんな暗い道で追いかけられたら恐いよね」
ひらひらと手を振ってそう言った七倉さんの親指に、くっきりと歯形がついてるのが見えて、
「本当にごめんなさい!!」
深々と頭を下げて平謝りした。
「だから、大丈夫だって。……それより変質者の方が傷ついたな」
後半部分の声が小さくて、七倉さんが何を言ったのかよく聞き取れなかったけど、どうにか許してもらえたみたいでホッとした。
気が抜けた拍子に、レジ袋を掴んでいた手の力が一気に抜けて、袋が道路に落ち、中身を地面にぶちまけてしまった。


