「本物の雛子ちゃんだ」
確かめるように、ぎゅっと抱きしめる七倉さんの腕が苦しくて、
「七倉さん、痛い」
そう言うと、
「ごめん。あまりにも嬉しかったから」
そう言って、今度は優しく抱きしめてくれた。
唇に触れる、柔らかな温もり。
目を閉じて、七倉さんがくれる温もりを受け取る。
唇が離れて、目を開けると、そこには大きな花束があって、
「メリークリスマス。ごめんね。慌ててたから、プレゼントこれしかなくて」
申し訳なさそうに、目を伏せる七倉さん。
私は、慌てて首を横に振る。
「とても嬉しいです。素敵なお花、ありがとうございます」
にっこりと笑うと、自分のそのままの気持ちを、七倉さんに伝える。
「お花も嬉しいけど、今、ここに七倉さんがいてくれる。それだけで最高のプレゼントです」
一度離れた七倉さんが、もう一度私を抱きしめる。
その腕に、力がこもった。
「俺を殺す気?」
ドキッとするほど、真剣な声。
腕の中から、私を解放した七倉さんは、困ったような顔で私を見た。
「これ以上、雛子ちゃんといたら、我慢できなくなるから帰るね」
背中を向ける七倉さん。
せっかく会えたと思ったのに、もう帰るなんて。
寂しくて、思わず大きな背中に向かって声をかけた。


