スマホの着信音で、目が覚めた。
寝ぼけた頭で、通話ボタンを押すと、
『ごめん。寝てた?』
相手は七倉さんだった。
『今、家にいる?』
コンサートで歌った後だからか、七倉さんの声が、いつもより掠れてる。
「はい。家です」
『よかった。今、雛子ちゃんの家の前にいるんだ』
「え?」
驚いて、スマホを持ったまま、玄関へと駆けて行く。
『どうしても今日、雛子ちゃんに会いたくて』
ドタバタと廊下を走る私の耳に届くのは、大好きな声。
『雛子ちゃんはいいって言ってくれたけど、やっぱり俺、クリスマスは雛子ちゃんといたいから』
バタンとドアを開ける。
「大阪から、急いで帰ってきちゃった」
そこにはスマホを持って、照れたように微笑む七倉さんが立っていて。
スマホを切った七倉さんは、私の体を抱きしめた。


