言われて気付く。梨央はミニスカートにハイヒール。俺はTシャツにハーフパンツだった。
季節は秋。と言っても、今年は温暖化の影響か、暖かい。
とにかく梨央の服装だけはどうにかしようと、目に入ったスポーツ用品店に行った。
登山グッズコーナーに行き、
「遠慮なく好きなの選べ。俺のおごりだ」
どーんと胸を張ると、梨央は完璧な山ガールファッション一式と、登山バックや杖、酸素スプレー。水や食料を買い込んだ。
「おいおい。たかが山登りに、気合入れすぎだろ」
「山を甘く見ないで!」
呆れて突っ込む俺を一喝した梨央は、俺の服まで選び始めた。
「梨央、真冬じゃねーんだから、そんな分厚い上着や手袋なんかいらねーだろ。山登りは気合いだ。気合!」
「あんた、何の知識もなく富士登山しようとしてたの?正真正銘のバカね」
梨央が呆れたように溜息を吐いた。
「素人は黙ってて」
そう言って、カートが山盛りになるほど品物を買い込んで、(当然、支払いは俺)
完全武装で山に登った。


