「いい女だな、あんた」
「今頃、気付いたの?」
腕を組み、余裕の笑みを浮かべる梨央。
その余裕な顔の下に、哀しみが隠れていることに気付いた。
「いい女だが、このままじゃ失恋ソングしか歌えない、寂しい女になっちまうぞ」
梨央の手を掴む。
「俺と来い!俺がお前に、恋は最高にhappyなものだって教えてやる」
半ば強引に、梨央をその場から引き離した。
「『来い』って、どこへ?」
梨央の質問に、間髪いれずに答える。
「富士山だ。最高って言やー、日本最高の山、富士山だろ。富士の頂上に行くぞ!」
富士山の麓へ行こうと、梨央を強引に車に乗せて発進すると、
「あんた、この格好で行く気?」
梨央が突っ込んだ。


