試合会場に向かう途中の電車の中、気持ちを高めようとイヤホンをつけて音楽を聴く。
それは怪我をした七倉さんが、病室で書いた曲。
七倉さんの綺麗な声で紡がれる、優しくて力強い歌声。
『限界なんて飛び越えて、二人で行こう』
その歌声に、萎縮して小さくなっていた心が開放される。
七倉さん、
あなたの歌を勇気に変えて、
戦います。
1回戦の相手は優勝候補の1人で、前回大会準優勝の実力者だった。
158センチの私に対して、170センチ近い長身の相手。
10センチ以上もある身長差から繰り出される、スピードも重さもあるサーブは、私を苦しめた。
1ゲーム目、2ゲーム目を相手選手に取られてしまった。


