突然の彼の登場に、報道陣が一斉に彼を取り巻いた。
その外側には、たくさんのファン。
彼は、その場にいる人々に向かって頭を下げた。
「この度は、皆様にご迷惑、ご心配をおかけして、申し訳ありませんでした」
突然始まった謝罪会見に、七倉さんの後を追ってきたスタッフたちが動揺する。
目を開けることすらできないほどに、眩しいフラッシュの中、揺るぎない眼差しで、ここにいる一人一人をぐるりと見回す七倉さん。
「世間で、色々な噂が流れていることは知っています。それは本当のこともあれば、嘘もある。けど、そのどれもが、誤解されるような行動を取ってしまった俺の責任です。
それでも、またステージに立つことができるのは、こうしてライブに足を運んでくれるファンや」
七倉さんは、輪の外側から心配そうに七倉さんを見ている、ファンの女の子を見た。
「まだ俺に力があると信じて、ここまで足を運んでくださった報道陣の方々」
私にインタビューをした、リポーターを見る。
「Soul Loversを支えてくれるスタッフたち」
おろおろと慌てているスタッフを見る。
「そして、どんなに苦しくても涙をこらえて、俺に笑顔を見せ続けてくれた。俺に前に進む勇気をくれた、彼女のおかげです」
七倉さんはそう言って、澄んだ黒い瞳で私を見た。


