ライブが終わって、ぼーっとした頭のまま、コンサート会場の外に出た。
アリーナの外には、まだ沢山の報道陣がいた。
彼らは何故が、ちらちらとこちらを見ていた。
嫌な予感がする。
そっと、その場を離れようとしたとき、
「真下雛子さんですよね」
いつの間にいたのか、背後から話しかけられた。
その人は、よくワイドショーに出演している芸能レポーターで。
「七倉ハルの復帰について、真下さんの感想を聞かせてください」
スマホを手にそう聞いたレポーターは、私の声を録音していた。
私たちの様子を遠巻きに眺めているファンは、「何事?」って顔でこちらを見ている。
「てっきり七倉ハルとは破局したと思ってましたが、世間の目を欺くためのカモフラージュだったんですね?やはり出会いはコーギーですか?」
委縮して、答えられないでいる私の前にやって来たのは、
「彼女は一般人です。質問なら俺が受けます」
本番が終わったばかりの七倉さんだった。


