すると突然、セットが回転して、瞬く間にステージの中央にDJブースが現れた。
「うそっ!!」
思わず口を押える。
目を見開いて見つめる先。ステージのど真ん中のDJブースに立っているのは、他でもない兄の雅高だった。
狂ったような音の渦に飲まれるように、好き勝手に音を流す兄。
その音に合わせてマイクを持つのは、七倉さんだった。
正確なリズムを刻みながら、七倉さんの綺麗な声で紡がれる高速ラップに、会場がどよめいた。
今までもSoul Loversとしてラップパートを歌ったことがある七倉さん。
けど今日のラップは、今までとは段違いに凄かった。
「ハルー!!」
「ハル、大好き!!」
どよめきが、歓声に変わって。
みんなが口々に彼の名を呼び、彼が作る音の世界に身を委ねる。
そこに被るように歌を紡ぐのは竜也さん。
そして梨央さん、秀斗さん、風花さん。
5人の声が合わさって、これが人間が紡ぎだす音なの?って感動するくらいに、綺麗な歌が響いた。


