ホールが暗転して、会場がざわめく。
薄い幕の向こう側、5人のシルエットが浮かび上がる。
顔が見えなくても分かる。
どこに七倉さんがいるのか。
七倉さんは、センターに立っていた。
幕が上がり、眩いほどのスポットライトに照らされた5人が、観客の前にその顔を見せた瞬間、
ざわめきが、悲鳴に変わった。
1曲目は、Soul Loversのデビュー曲。
病室で七倉さんが言っていた。
「一曲目は、たいして売れなかったけど。結構気に入ってたんだ」
懐かしそうに、目を細める七倉さん。
数曲、Soul Loversの初期の曲を歌った5人は、
デビュー2年目にして、初めて総合売り上げ1位を獲得したヒット曲を歌った。


