Soul Lovers~世界で一番愛する人へ~




「ある日、病院で真下さんを見かけた。真下さんは待合室で泣いていて、どうしたんだろう?って思った。そしたら涙を拭いて、笑顔を作って病室の中に入って行った。
その病室の入り口には、あるはずの名札がなくて。でも見ちゃったんだ。ドアが閉まる瞬間、ベッドの上で、君に笑いかける七倉ハルの顔を」




そんなところを見られていただなんて。
気が付くと、小さく手が震えてた。




「七倉ハルの噂は知ってた。チャラい奴とは聞いてたけど、事故って入院してる時すら、女を連れ込んでんのかよって軽蔑した。
そして真下さんのことを、芸能人に振り回される、馬鹿な女だって見下してた」



淡々と、その時の気持ちを語る菅君。



けど怒りは沸いてこない。


きっと世間の目は、そんなものだろうって思ったから。



「あの時は、真下さんの名前すら知らなかった。ただ亜理沙とよく一緒にいる子だってのは分かった。
いつもあいつの病室に見舞いに行く真下さんに、最初はよくやるなって呆れてたけど。日々、見舞客が減ってる中、一途に七倉ハルの病室に行く真下さんのことが気になった。
悪い噂だって聞いてるだろうに、待合室で泣いてても、病室の中に入る時には、絶対に笑顔でいる真下さんが、気になってしょうがなかったんだ」