「横浜なんて。あんな時間に事故なんて。あなたに会おうとしてたんでしょ?
ハルは徹底的に自己管理できる人よ。次の日に大事な仕事が控えてるって時に、無理して出かける人じゃない。遊びに行くような人じゃない!」
叩かれた、頬が痛い。
私の心は、もっと痛かった。
ポロリと瞳から涙がこぼれる。
「……ごめんなさい」
そう言うのが、やっとだった。
「帰りなさい。あなたなんか、ハルに会う権利はない!」
私たちのやり取りに、見ていられなくなった兄が口を挟む。
「おいおい。雛子の元に向かったのは、七倉の意思だ。何より事故の責任は、雛子じゃない。信号無視した相手の車だろ」
「けど、この子がハルに会いたがらなきゃ、ハルは横浜に行こうとしなかったわ!」
離れた場所で、私たちの話を聞いていたリーダーの竜也さんが、梨央さんの肩に手を置く。
「落ち着け、梨央」
「落ち着いてなんか、いられないわ!今日から行くロスで、私たちSoul Loversは世界デビューに向けての記者会見をする。そんな大事なときに、ハルがいないなんて!!」
泣き崩れた梨央さんを、竜也さんが抱きとめた。


