食い入るようにテレビを見る私に、兄が声をかける。
「行くぞ。雛子」
行くって、どこへ?
ショックで頭がついていかない。
「しっかりしろ!七倉のとこに行くぞ!!」
七倉さんの名前を聞いて、はじかれたように兄の車に乗った。
「病院の場所は、伊織が調べてくれた。お前、昨日ずっと起きてただろう。待ってたのは、七倉か?」
その言葉に、こくんと頷く。
運転席で、兄がハァーとため息を吐いた。
そして右手でハンドルを握ったまま、左手で私の頭をポンポンと撫でると、
「お前のせいじゃない」
前を向いたまま、そう言った。


