兄の質問に、ちょっと視線を逸らして躊躇した後、諦めたように梨央さんが口を開いた。
「興味があったのよ。ハルが好きになった子が、どんな子か。この目で確かめたかった」
ねこのように、透き通った大きな目で、梨央さんは私を見る。
その真っ直ぐな視線に耐え切れずに、俯いた。
「どこがいいの?こんな、どこにでもいる普通の子」
梨央さんの声が店内に響く。
「私でも納得できないのに、ファンはもっと納得しないわ!今すぐ、ハルと別れて!!」
梨央さんの言葉に、あきれた口調で兄が告げる。
「おい、おい。当人たちの恋愛に、梨央もファンも関係ねーだろ。七倉だって男だ。恋ぐらいするってもんだ」
「なによ。あんただって関係ないでしょ。向こうに行きなさいよ!」
「大事な妹の恋に難癖つけられて黙ってられるか!!」
「はぁー?なんなの?あんた。その顔でシスコン?」
「顔は関係ねーだろ。悪いか?シスコンで!」
言い合う2人の言葉を聞きながら、胸に突き刺さる違和感を口にする。
「私と七倉さんって、付き合ってるんですか?」


