居心地の悪い沈黙が続く。
耐え切れなくなったように、梨央さんが言った。
「なんで私が、あなたたちトマト兄妹と顔つき合わせて、コーヒー飲まなきゃならないの?」
「それは梨央がコーヒー頼むからだろ」
「だから酒すすめたのに」と、見当違いな返事をする兄の言葉に、梨央さんの眉間に深いしわが出来る。
駄目だ。この兄。
険悪な空気になるのを、どうにか和ませようと、思い切って梨央さんに話しかける。
「そう言えば梨央さんって、兄の友達なんですね?」
七倉さんと兄が友達なら、梨央さんと友達でも不思議はない。
そう思って質問すると、梨央さんは心底うんざりしたようにため息を吐いた。


