ほっとして、その名を呼ぶ。伊織さんは優しい笑みを浮かべて私に聞いた。 「どうしたの?」 そう言われて思い出したように通学かばんからCD-ROMを取り出すと、七倉さんに渡した。 「兄からです」 手渡されたものを見た七倉さんは、 「これマッシーさんの……じゃあ、君、マッシーさんの?」 「はい。妹です」 眩しすぎる目力にくらくらしながら、どうにかそう答えた。