夏の終わり、恋花火

焼け付くような暑さの中、5つめの駅で降りて
動物園についた。

何年ぶりだろう?

夏休みの家族連れや学生たちで賑わっている。

同世代の恋人たちが手をつないで微笑みあっている。

なんの曇りもないくったくもないまっすぐな笑顔。

あたしは少しさみしくなった。

2人の関係性がなんなのか、今日のこの出来事をデートと呼んでいいのか

頭がこんがらがりそう。

拓海くんの後頭部を見つめる。

清潔に切りそろえられた襟足。

ほんのりくせ毛に覆われたその頭の中の
拓海くんの思考回路を解読したい。

「渚、早くいこ」

振り返って手招く。

眩しい、夏の輝きの中。


ワンシーンワンシーン、忘れないように
心に深く刻んだ。


「うん!」