「お、おはよっ!」




「…。」




……



「はははっ!なにー、愛梨。下駄箱で、
またあいさつの練習してんの?
もう!毎日毎日、靴入れのロッカーを使ってまで練習してんだからさ、さっさとあいさつしてくれば?女たらしで、イケメンの黒井に!」




「無理だよー!!恥ずかしいし、
それに。黒井くんは、私のことなんて覚えてないよ!」




「いやー。ロッカーに向かって、毎日毎日あいさつしてる方が恥ずかしいと思うよ?
ってか、あんなことあったんだから。
愛梨のこと、覚えてるに決まってるでしょ。」




「う、うん!」




そうかもしれない。





もしかしたら黒井くんは、私のこと。




あの日のこと、




まだ、覚えてるかもしれない!