「透輝くん、聞きたい事があるんだけど」

後日、私は一年二組の教室へ行った。

燕くん経由で透輝くんはすぐに来てくれた。

「例の件ですか?もちろん良いですよ」

「叶海ちゃんに何プレゼントしたのか、教えてくれる?」

どうしてそんな事を聞かれたのか分からないという様子で、透輝くんは一瞬目を丸くする。

「え?クラシックのCDです。図書館の視聴覚コーナーに置いてあったCD、興味ありげに見てたので。あと、似合いそうだったのでリボンのついたカチューシャを。本読む時髪を邪魔そうに弄ってましたから」

「ふむふむ、なるほどね、ありがと」

私は愛用の手帳に全てメモする。

CD……カチューシャ……と。

「いえ、オレの方こそ。真剣に捜査してくださってありがとうございます」

「うん、もう少しで分かると思うから、もうちょっとまってて」



「どしたの?」

「何かあったん?」

廊下で待ってた綺鳴と美色の元へ戻ると、私の表情が固かったからか、そう聞かれた。

私はふうっと息をつく。



「どうりで怒るわけだよ。叶海ちゃんにとってはイジメ同然なんだもんね」