「姉様~……?」

カラリと部室のドアが開いた。

ひょこりと顔を出したのは、綺鳴の弟の燕くん。

「あれ、燕?どないしたん?」

「うん、僕のクラスメイトでね、相談部に用がある人がいるんだ」

「お悩みか何か?」

「そう。透輝(とうき)くん、入っていいよ」

「あ、うん……」

背の高い男の子が燕くんの後ろから入ってきた。

ひょろっと細長い感じだけど、優しそうな人。

イケメンってわけじゃないけど、さらっとしたしょうゆ顔。

そこに何故か貼られた湿布だけが惜しいかな。

「えっと、相談部の皆さん、こんにちは。オレ、燕くんのクラスメイトの、越谷 透輝(こしがや とうき)って言います」

綺鳴が燕くんと透輝くんの二人を椅子に座らせたけど、透輝くんはソワソワと落ち着きがない。

これは……

「恋のお悩みって感じ?」

美色が期待の目でみつめる。

「え、あー……はい、まぁそんな感じです。と言っても、まだオレの一方通行ですけど」

照れたように首をさする透輝くん。