けど……

「聞いた話からすると着替える時間なんて無かったから、それはないと思うけどなぁ……大体、そんな人いたら逆に目立つよ。うちの学校ブレザーだし」

「それもそうか」

美色はあっさり引き下がった。


コンコン


ん?ノックの音?

「はーい」

一応部長である私が代表してドアを開ける。

と、生徒会の腕章を付けた男女数人が立っていた。

「こんちはー、生徒会です。新聞部の前に部活動紹介のポスター貼りたいんですけど、良いですか?」

「あー、良いですよ」

なんだ、そんな事か。

こっちは財布泥棒探すのに必死こいてるのに、なんだか気が抜ける。

「ありがとーございまーす」

掲示作業に取り掛かる生徒会を尻目に、私はドアを閉めた。

「部活ねぇ~……あたし達も部員募集ポスター作る?」

「いや、人数そんなにいらないし、別に良いでしょ。先生が暇潰しのために作ったようなもんだから、廃部とか予算とか関係無いし」

廃部になっても私と美色の情報屋は続くし、予算は依頼者から貰うお菓子でどうにかなる。