ゆっくりと美色が写真を机に、雛子に向けて置いた。

それと同時に、私が口を開く。

「どっかのオスの野良犬とめっちゃラブラブになっちゃったみたいで……その、赤ちゃん出来ちゃったんだって。今、保護してくれた人が、動物保護センターで預けてくれてる」

「えぇ?!」

そう。私も見つけた時は驚いた。

見つけた時に撮影したモカちゃんは、お腹が膨らんでいたんだ。

「……どうする?そのまま動物保護センターで預かってもらう?大変かもしれないけど、家でちゃんと面倒見る?」

「……うん、お父さんとお母さんにも相談してみる。ソフトも大会終わったら余裕ができるから、それが終わったらまた迎えに来る」

「そっか。モカちゃんにとっても、それが良いだろうね。大好きなご主人様の近くで安心していられるだろうからね」

良かった。世話できないから捨てるなんて言わなくて。

ま、雛子はそんな酷いことする子じゃないけど。

何はともあれ、これで解決だ!

「あ、そうだ!お礼!」

はっと、思い出して雛子が足元に置いてたエナメルバッグを漁る。

取り出されたのは、リボンに包まれた可愛いベビーピンクの箱。