「え、燕くんの事、家族にも認めてもらえたんだ!?」

美色が口の周りを生クリームだらけにして驚く。

「うん、うちが説得するまでもなく、ゆる〜く許可してくれはったわ。海外で仕事したりするから、そういうんの慣れとるんかもな。……そないにびっくりすること?」

ミルクティを啜りつつ、綺鳴が威嚇するように少し睨む。

弟を心配する姉というか、どちらかというと仔猫を守ろうと警戒態勢になる母猫のようだ。

「い、いや、あたしそういうのキモいとか思わないタイプだから、偏見とかそういうんじゃないけど……跡取りの事とかは?」

「一応うちがなる事になったわ。婿養子取れば、まぁ大丈夫やろ。もしそれでも無理なら他の親戚も候補はおるし」

「へー!そりゃ良かったぁ」

モンブランの頂をフォークで攻めながら、私は感嘆の声をあげる。