「なぁんで泣いとんの!なんも悪い事しとらんやろ」

滲む視界の中、苦笑いする綺鳴が映る。

弟の事を自分の事のように心配し、学校の情報屋にまで頼む姉。

自分の普通とは言えない恋を応援してくれる姉。

僕はこれで良いんだ。

どんな恋をしてても、姫宮 燕である事は変わらない。

今更ながら、やっと自分の在り方が分かった気がする。

綺鳴に抱き締められながら、燕は良い姉に恵まれた幸せを感じた。