「うん、やっぱりせやったか」

美色の推理はバッチリ当たっていた。

「え、知ってたの!?」

あまりにも予想外の発言に、燕は大きい目をさらに大きく見開く。

「ちょっと情報屋コンビに調査をお願いしとってな」

「あ〜……園芸部の見学は僕を見張ってたのか……」

燕は二人があまり花を見ていなかったのを今更ながらに思い出す。

調査対象が自分だったと分かると、なんだか気恥ずかしい。

「今日の帰りも尾行しようとしてたらしいで?」

「あー、弥彦くんの自転車の後ろ乗せてもらって、裏口から近道したんだ。登校の時もそうだったんだよ」

「だから会わへんかったのか……」

「……姉様は、引いたりしないの?」

「なんで?」

「その、好きっていうか……付き合ってた、んだけど……」

「そんでも好きなんやろ?好きになったもんはしゃーない。その気持ちは無駄にしたらあかんよ。悪いことしとるわけちゃうんやから、堂々としとき」

京女である母親の血を受け継いでいるからか、ハッキリとした物言いの綺鳴が、燕にはかっこよく見えた。