『ん、そういう事だから……バイバイ。これからは普通に……だから、無理だって、駄目なの。じゃぁね』

一方的に通話を切ったみたい。

後半が早口だった。

話の内容が全く読めない……ヒントはゼロか。

収穫無しか。残念。

せめて相手の声が聞こえたら、何か分かったと思うけど……

「ミィ、綺鳴、何か分かった事ある?」

「さっぱりやわぁ……何話してんやろ?ポツポツ言うててよう聞こえんかったし」

実姉である綺鳴でさえお手上げか。

「……」

「ミィ?」

珍しいく美色が顎に手を当てて考え事してる。

そう言えば美色は、記憶力も良いけど耳も超地獄耳だった!

何か聞こえたのかも!

「ねぇ、ミィ。何か分かったの?」

「教えてーな、美色ちゃん!」

「うん、今の会話全部聞こえて、真相は分かった。けどね」

少しの間、美色は長いまつげを伏せた。

「……タイム、綺鳴、特に綺鳴」

真面目な表情で顔を上げる美色。