……はーあ。やっぱり来たか。

いつもこうだ。慣れたとはいえ、疲れるもんは疲れる。


私、来栖 時音(くるす ときね)はこのクラスの学級委員長。

お人好しで世話好きな性格からか、クラスメイトに相談を持ちかけられることが多い。

その上、自慢じゃないけど実は高校生にして高度なハッキング技術を会得してる。

その気になれば、パソコンとスマホとかの機材で個人情報を網羅することだって可能だ。

そして、私の大親友、国吉 美色(くによし みいろ)は恐ろしいくらいの地獄耳で情報通。

それから抜群過ぎて逆に気持ち悪いくらいの記憶力も持ってる。

だけど、なぜか成績は良いわけじゃないんだよね……

そんな力を持った私達は、いつの間にか成り行きで情報屋の様な、探偵のようなことをやっていた。

『情報屋』としての私達を皆、『来栖』の『くる』と、『美色』の『みい』で、通称『クルミィーズ』って呼んでる。

平成初期頃の児童書のタイトルみたいで、私はあんまり好きじゃないんだけどね。

『占いトリオ○ューピッズ』とか、『○きめきクラブ♡』とか、『大マ○三人組』とか、みたいで、完全に現代っ子の私には正直ダサく感じる。


「はいはい、ちょっと待ってて!あと、謝礼は絶対忘れてないよね?!」

美色が自分の席に依頼者達を集めた。