「「「「う〜〜ん…………」」」」

あたし達が頭を抱えてるのは、時音が残した暗号。

なんで自分が誘拐される場所が分かったのか、なんで記憶喪失なのにあたしにしか分かんないような暗号にしたのかも気になるところだけど、まずは二個目の暗号が先だ。


『キッシュを食べたんだ
たくさんのハーブティ
嘘みたいに美味しくてさ
ミルクレープ食べてごらん
ゾイサイトのハライソ
苺のマカロンを食べよう
のんびりとしたとこ

時音』


だめだ。

何回見ても分かんない!

「さっきから何してんの?ずいぶん唸ってるけど……それ何?」

ひょこっと榊さんがまた首を突っ込んできた。

「タイムがいなくなった病室に置かれてた紙です。自分が連れてかれる場所が分かってたみたいで、多分その場所をさしてるみたいなんですけど……」

「『きたうみぞいの、だいさんそうこ』……」

「「「「え?」」」」

「最初の文字と最後の文字をそれぞれ縦読みするんだよ。割とよくあるタイプの暗号だなー」

は、早い。

あたし達がずーっと考えてたのを一瞬で解いちゃうなんて……