珀成は話してくれた。

七年前に床鴒島の夏祭りで珀成と時音が会った事。

すぐに仲良くなってあだ名で呼びあってた事。

またいつか絶対に会いに行くと約束した事───

少し照れてるのか、途中でちょっと誤魔化したみたいなところもあったけど、だいたい話が分かってきた。

「せっかく姉貴の上京について行ってこっちに来たっていうのに、なんで覚えてねぇのかと思ったら……」

反省してるのか、珀成は前髪をかきあげ手のひらを額につけた。

そっか、時音へのあの態度は『なんで思い出してくれないんだ?!』って苛立ちもあったのか。

「来栖殿が戻ってきたら謝らないと、でありますな」

絢太は男子同士で通じる所があるのか、『分かる』みたいな感じでポンと珀成の肩を叩いた。

「なぁ、首突っ込んで悪いんだけど、もしかしたらその話もこっちの話と関係あるかも」

「「「「え?」」」」

ひょこりとまた後ろの座席から顔を出して、榊さんが話に割り込んできた。

「いや、俺らが捜査してるのも七年前の事件なんだよ。床鴒島で起こったんだ」

あたし達は顔を見合わせた。

床鴒島ってそんなに大きい島じゃない。

もしかしたら関係あるかも!