飼い始めたばかりのハムスターみたいに隅の方で縮こまって震えてるから気が付かなかった。

二人は入部したてで綺鳴の家の事知らないから、あたし達以上にダメージがあるらしい。

「まぁ、全員揃ったし、そろそろ行こか。暗号はフライトの最中にでも解こ。ほんなら皆、三十分後くらいに離陸出来るよう準備の方頼むわ」

綺鳴がパンパンと手を叩くと、使用人の人達全員が背筋を伸ばした。

「「「「畏まりました」」」」

ピッタリと揃った了承の言葉を言い終えると、すぐにテキパキとセレブ空間を片付けていく。

たった二回の拍手で動かせるなんて、やっぱ全然見えないけどお嬢様なんだなぁと思い知らされた。









「うわぁ……」

飛行機には数回しか乗った事無いけど、綺鳴のとこの飛行機が普通ではない事くらい分かる。

本当に飛行機?って思えるくらい、広い。

椅子の一つ一つが新品同様で綺麗だし、全部の席にふかふかのクッションまで置かれてる。