この宝石みたいなものを丸かじりするのか。

パチクリと瞬きしてから、大きく口を開けてかぶりついた。

「美味しい……!」

初めて食べたそれは、痺れるような甘さが口の中を刺激するが、涙でしょっぱくなった口には丁度いい美味しさだった。

「へへっ、やっと笑ったな!」

少年は白い歯を見せ、祭提灯どころか太陽にも負けない笑顔を見せた。

暗い神社だが、彼が周りを照らしてるようだ。

少年はパシッと少女の手を取り、グイッと引っ張った。

「なぁ、こっち来いよ!一緒に回ろーぜ!俺、すっげー良い場所知ってんだ!」







その時から。

その時から、来栖 時音は甘い物と彼の虜になった。