「良いじゃねーか、堅苦しいこと言うなよ。大体、越水(こしみず)部長の絵の件だって、俺が解決したんだぜ?あれが入部テストって事でいいだろ」

む。

た、確かにアレは涼村くんがいなかったら解決してなかったかもしれないし、時音も彫刻刀で大怪我してたかもしれない。

意外と恩売ってるな。

「第一お前、いつの間にか俺の事勝手にあだ名で呼んでるじゃねーか。あだ名呼びって相談部の規則みたいなもんじゃねーの?」

ぐぬぬ……言い返せない。

そう言えば、入部届も預かったままだ……

「はぁ、もう。しょうがないな。入部許可するよ。タイムも多分良いって言うだろうし。二人共まとめて入部許可しまーす」

言い終わった瞬間、男子二人が軽快にハイタッチを交わす。

「うぇーい、やりぃ!良かったじゃねーか、玉木!」

「はい!国吉殿、入部許可、心より感謝するであります!」



ポーン、ポポポロロポローン♪



ん、また電話?

ポケットからスマホを出して画面を見る。

番号はさっきと同じ。

「もしもし?響香さん?」

またタイムのお母さんからだった。