ガララッ


「話、終わったの?」

用事を済ませて部室に戻ると、何だか皆顔がにやけてた。

燕くんもさっき『この前の件、僕からのお礼がまだだったので!良かったらこのミニケーキ、受け取ってもらえませんか?』って急に言ってたし、なんか流れが不自然だなぁ……

違和感を覚えつつ、あたしは流れに乗った。

「終わったよ、せやけど見つからへんかった。やっぱりこのマンモス校からたった一人ん生徒を探すんは、砂漠でコンタクトを探すみたいなモンやね」

「つーわけで、見つかるまで相談部に所属して、依頼者から手がかりを得ていくって方向にしないかって提案したんだけどさ。国吉はどう?」

「よ、よろしくお願いするであります」

ヘラヘラした綺鳴と涼村くんに後押しされるように、遠慮がちに玉木くんが頭を下げた。

……なんかあたしがいない間にものすごく話が進んでる?

「え、あたしは構わないけど……って!」

待って、今一番おかしい所あったよ?!

あたしは思わず机を叩いた。

その音で無関係の玉木くんが小さく跳ねる。

「ちょっと待って!あたしもタイムも、スズくんの事部員って認めてないよ!?何しれっと部員ぶってんのよ!」