「ふむふむ、なるほどー?その人を探す為に、ヒントになりそうな写真探してるってわけね。分かった。おもしろそーだし、おれっちも手伝うよ」

お、それはありがたい。

真輝は早速棚に置かれたアルバムみたいな冊子を手に取り、パラパラと捲った。

「けど、一年前ってなるとミィ姉達が一年の時で、おれっちはまだ入学してないからね。先輩が撮った写真から手がかり探すことしか出来ないけど」

あー、去年の運動会はこの辺だね、とさらっと協力してくれる上に要領が良いから、真輝はこういう時頼れる。

「それでも充分だよ。今タイムがいないし。人手が多い方が助かる」

「あぁ、言ってたね。タイムさん入院してるんだっけか。しばらく会ってなかったし、おれっちも後でお見舞い行かなきゃね」

喋りながらテキパキと冊子を流し見した後、ふと真輝はポケットからスマホを取り出した。

「すんませんキナリさん、ちょっと協力者増やしていいっすか?」

「え、かまへんよ。手伝ってくれる人多い方が見つかりやすいやろし。というかなんでうちに聞いたん……」

「あざーっす!」

綺鳴のセリフを最後まで聞かず、真輝は嬉々としながらスマホに耳を近づけた。

どうやら電話するらしい。

「もしもし、ニーナちゃん?ちょっと頼みがあるんだけど……去年の運動会の時、救護班と救護班にお世話になった人って……あ、うん。分かった。なるはやでヨロシク。はーい、うぃーっす」

真輝はピッと通話を切ると、何事も無かったようにまた冊子に目を通す。

「今の誰?」

「ん?おれっちの彼女だよ。保健委員所属だから、救護班関連の事も調べられると思うから頼んどいた☆」

……本当に有能。

このまま相談部に勧誘したいくらいだ。

おっと、いくら真輝がしっかりしてるからって任せっきりにする訳にも行かない。