「何、ミィ姉?また写真の相談?」

「そう、昨年のやつ、ちょっと見せてほしくてさ」

「良いよ。今日は特に活動も無くて暇してたから、自由に見ちゃっていいよー」

ありがと、と感謝の言葉を述べてから、あたしは部室へ入った。

「ミィちゃん、その子は?」

「あたしの再従兄弟(ハトコ)で理系学部一年一組の国吉 真輝(くによし まなき)。写真部に所属してるの」

「どもー。ミィ姉がお世話になってまーす」

うぇーいと初対面の二人にもパリピっぽいピースをする真輝。

人懐っこくて小猿みたいな真輝には、相談部が出来る前から結構お世話になってた。

真輝はいつも首に紐をつけたデジカメをかけてて、チャンスさえあれば授業中でもすかさずシャッターを切るカメラ小僧。

結構手がかりになるものを偶然撮ってる事もあり、捜査が手詰まりになった時によく助けてもらってた。

あたし達にとっては『ヒント屋さん』って感じ。

「で?今回はどんな用なの?」

「あぁ、えっとね……」

あたしは真輝に事の顛末を説明する。

といっても、今一年生の真輝は去年中等部の三年生。

去年の高等部の運動会の事……知ってるわけないと思ったけど、どうだろう?