「まぁとにかく、当時テントの中にいた人を探せば良いんでしょ?玲瓏学園全体から探すのはほとんど無理だけど、それなら大体部活とか委員会とかから絞れるんじゃないかな」

時音がいればSNSやら学園の個人データ盗み見してどうにか出来るんだけど、あたしは出来ないから、地道に探すしかない。

「とりあえずあたしは報酬にもよるけど、受けようと思う。キナリんとスズくんはどう?」

「せやな。うちも賛成。そういうタイプの恋愛、なんやおもろいやん」

「俺も受けるに一票。恋愛ものとかめんどいけど、後で来栖にビックリした顔させてやれるしな」

なんだかんだで二人共乗り気になってくれた。

曇り空の切れ目から日光が差し込んだみたいに玉木くんの顔が晴れ晴れしていく。

「あ、ありがとうございます!心から感謝申し上げますぞ!」

「よし、決定だね。玉木くん、あたし達相談部がお菓子を報酬に活動してる事は分かってるよね?出来れば前払いか、先に何をくれるか教えてくれるとありがたいんだけど」

「はい、勿論存じてるであります!といっても、小生は食に疎いもので、あまり美味しいものが分からず……」

ゴソゴソと玉木くんはポケットを探ると、チューインガムを取り出した。

「このガムで良いでありますか?一応期間限定発売の、味が長持ちすると評判のものでありますが」

「ガムか……」