これから先、相談部の活動続けていくだろうし。
意を決して、あたしは深呼吸してから口を開く。
「あっ、あのね!二人共聞いて。タイムは、時音はね───」
「失礼致します!相談部とは、ここで合ってるでありますか?」
あたしのセリフを遮って、カラリと扉が開いた。
入ってきたのは頭上にゴツめのゴーグル、腰にはベルト替わりに迷彩柄のスカーフという個性的な制服の着崩し方の男の子。
男子としては小柄な方かな?綺鳴の弟の燕くんより少し高いくらいだ。
「え、う、あ、合ってる、よ」
言おうとしてた言葉を飲み込まざるを得なくなって、しゃっくりするみたいになってしまった。
「そうでありますか。では、来て早々申し訳ないのですが、話を聞いていただきたく!」
「……分かった」
時音がここにいなくても、普通の日常はそこにある。
関係無い人が悩みを抱えて、解決して欲しくて相談部にやってくる。
いつもの事。人一人いなくなってもそれが変わる事は、無い。
時音がいないからって依頼を蹴るわけにもいかない。
依頼を無視した事を記憶が戻った時音が知ったら、絶対怒る。
しょんぼりしたって何も始まらないもんね。