この後すぐに来た綺鳴の家の車に乗り込み、あたし達三人は時音が入院してる病院へ向かった。













「美色ちゃん達、こっちよ」

面会受付のすぐ近くの休憩スペースに、時音と時音のお母さんはいた。

時音をもう少し大人にしたような顔は、昔から変わらず優しい。

「お医者さんは、倒れた原因は不明だけど今のところ体調に問題は無いから大丈夫だろうって。まだ一週間ぶりに起きたばかりだから、寝惚けてるみたいなんだけど……」

一週間ぶりに会った、起きた状態の時音は時音のお母さんが押す車椅子に乗ってぼんやりしてる。

あたしや相談部のメンバーを見ても、ピンと来ない顔だ。

「時音、スズくんとキナリんだよ。時音ママ、あたし達と同じ部活の子達です」

時音のお母さんとは初対面である綺鳴と珀成が、行儀よく挨拶をする(正確には行儀がいいのは綺鳴だけ)。

「初めまして、うち姫宮 綺鳴いいますー。タイムちゃん……時音ちゃんにはえらいお世話になってます」

「どうも、涼村っス」

片や微妙な京都弁のお嬢様、片や野良犬みたいな男子と個性の強い二人だからか、時音のお母さんは一瞬キョトンとした顔をした。

けど、すぐにニコッと笑うと自分も自己紹介をする。