タイム……時音が倒れてから一週間が経った。

相談部の皆で何度か交代でお見舞いには行ってるけど、時音は眠ったまま。

昨日もあたしが行ったけど、人形みたいにベッドに横になってた。

そのせいで、相談部部室の空気も今日の天気みたいにどんよりしてる。

「はぁ……タイムちゃん、大丈夫やろか?もう二度と起きひんかったら、どないしょ……」

「おい!縁起でもねー事言ってんじゃねーよ姫宮!」

雷みたいに珀成が怒鳴る。

「せ、せやけど……さすがに不安になるやん。しゃーないやろ」

「おめー、弟があいつみたいに昏睡状態になった時に同じ事言われたらどーすんだよ」

スっと綺鳴の顔から表情が消え、『ガチ怒の標準語モード』に切り替わる。

「普通に殺意沸くね。ミンチにする……あ」

「そーいう事だよ馬鹿」

この二人が揉めるのも珍しい。

止める役の時音がいないから。

改めて時音の存在の重さを思い知った。

あたしも寂しくて、ウサギみたいに死にそうだよ……


ポーン、ポポポロロポローン♪


制服のポケットに入れてたスマホが鳴った。

表示されてる番号は……知らない番号だ。