美術部員達が驚いて口を開けたままだ。

私も今気がついた。なんで分かんなかったんだろ。

明らかに順番がおかしい。もし二周回ってたら美術部員達か相談部のどちらかに見つかってしまう。

それに谷先輩はほとんど私達と一緒に回ってた。

「あと、袋は思いっきり破れてた。だったらもっとたくさん落ちてるはずだろ」

私は『うわ〜大変だ〜』と金平糖をぶちまける谷先輩を想像する。

うん。あの天然でぽわぽわした人が二、三個だけ落とすなんて器用な真似、きっと出来ない。

「あ、そっか!谷先輩が犯人だったら、もっと金平糖落ちてるよね?」

美色がポンと手を打つ。

「そういう事だ。だから、真犯人は谷先輩がどこかで落とした金平糖を拾って、それをまた落としたんだよ」

谷先輩の金平糖を拾うように、さっき落ちてたゴミを拾ってた、綺麗好きで真面目な人……



「だったら、もう一人しかいねぇよな?津山先輩よ」



皆の視線がぐるっと津山先輩に向いた。

「ふん」

けど、当の本人は余裕そうな笑みを浮かべてる。

……涼村くんの推理が、外れてるって事?

「証拠は?証拠はあんのか?」

田舎のダサいヤンキーが恐喝してるみたいに、ニヤニヤしながら寄ってきた。

けど、涼村くんは名前の通り涼しい顔。