「時音ちゃん!美色ちゃん!ここにいたのね!……あ、先輩ここにいたんですか!探しましたよ!」
「いやぁ、すみません庄戸さん」
「先輩良かったですね、典美と合流出来て」
「ほんと探しちゃいましたよ〜越水部長が先輩を探すって名目で関係者以外立ち入り禁止の所に入ってこうとしてて、それを他の部員が止めようとしても聞かなくて、スリーパーホールドしてやっと諦めてくれて……じゃなくて、大変なのよ!」
どういう状況なのか気になりすぎるけど、典美の顔がサッと青ざめたところを見るとただ事じゃ無い事が起こったらしい。
「大変って何が……」
ビーッ、ビーッ、ビーッ!
「え、何だ?!サイレン?!」
学校の避難訓練の時みたいな警告音に、涼村くんが素早く反応した。
ピシャアアァッ
「うわっ、冷たっ!雨漏り……いや、スプリンクラー?」
大量の水のせいで、美色のふわふわツインテールが元気を無くす。
典美は濡れた眼鏡を拭きながら、早口で説明した。
「こ、越水部長の絵に火がつけられたの!!火事よ!!火事なのよーー!!」