「へー。会場、結構広いんだね」
展覧会の会場は、デパートの三階の空きスペースにあった。
私服で来た我々相談部は今回一般客としての参加だから、邪魔にならないよう隅の方に集まった。
涼村くんはヘルスゴススタイル、綺鳴は上品なワンピース、美色はヒラヒラのスカート、私はパーカーにショートパンツ。
各々の普段着だけど、この格好なら良くも悪くも犯人には怪しまれないでしょ。
会場入口付近に制服を着た生徒が十人ほど固まってる。
うちの制服だから玲瓏学園の美術部だ。
その中で典美を見つけ、合流する。
「典美、おはよー!」
「あ、美色ちゃん、おはよう。一般の人に玲瓏学園の生徒が馬鹿だって思われちゃうから、静かにね。部長!相談部来ましたよー!」
なぜかさりげなく遠回しに美色を馬鹿だとdisってから、典美は一人、誰かを呼んだ。
「この人が部長、越水 晏鶴(こしみず あんず)先輩」
「おっすー、皆揃ってる系?」
登場したのは眠そうな目をした女の人。
ボサボサの髪を無理矢理ピンで抑えた髪型に、ヨレヨレの制服の上に白衣を着たスタイルという、部長には見えない風貌だ。