「うっわー、厨二くさー……」

美色が顔をしかめた。

確かに、やたら漢字を使いたがってるような文章だ。

カッコつけてるつもりなのかな。

はっきり言って一周まわってダサい、イタい、そしてなんかキモい。

「えーっと、これ要は越水 晏鶴さんの絵を焼きますって予告状?だよね?警察に届け出した方が良いんじゃない?」

「そりゃ、頼んだわよ!近所の交番のお巡りさんに!でも、名画とかじゃなくて、ただの学生が描いた絵だから、イタズラ扱いで真剣に捜査してくれなくて……」

それもそうか。

助けてあげたいけど、情報がそれだけじゃ捜査のしようがない……

「顧問の先生が一応どうにかしようとしてくれてるけど、私はそれじゃ不安なのよ!美術部員として、せっかくの展覧会で事件なんて起こって欲しくないわ。時音ちゃん、どうにかならないかしら?」

「うーん……」

「報酬に金平糖あげるわよ」

「むー……」

「隣県の和菓子の名店『びかり屋』のだけど」

「やる」

「タイムーっ?!」

いつもと違う即断即決した私に美色がツインテールを振り回して驚く。

「な、なんでよ?ただのイタズラかもしれないのに!ただの金平糖に釣られちゃうの?」